黒パンと鮭  53.0×45.5 1980  

  黒パンは翌日の昼飯で、一切れの鮭と飯ごうの中の塩水のようなスープが夕食として配られる。黒パンを翌日まで持ちこたえることはまずできない。盗まれるかもしれないし抱いて寝るわけにもいかない。夕食が貧しいので食べてしまうのが習わしだった。野菜のない冬には、樅の葉を大鍋で煮つめ、ビタミンの欠乏を補った。