望郷
60.5×50.0
1980
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カンボーイ(監視兵)たちにも遠き故郷を思わずにはいられないようだった。われわれの作業をじっと視ているだけの彼らにも、故郷に残してきた彼女のことや両親たちのことを思い出しているのであろう。歩哨長のトカレフという赤ら貌の軍曹は、エセーニンの詩句をいつくか暗記していて、韻をふくんで口ずさんで見せた。(加藤九祚『シベリア記』より)