編集後記

 このホームページは、私の画文集『シベリア虜囚記』(ペン画)と『シベリア虜囚の祈り』(油絵)に、その後に描いた作品から抜粋をして編集したものである。
 シベリア抑留の3年から4年までの写真記録は、ロシア政府はすでに発表しているが、最も残酷を極めた、入ソ後1、2年の写真記録はいまだに発表されてはいない。
 私はその発表されていない1、2年間の様子を出来るだけ解りやすく、私の体験にもとづいてリアルに描き続けて来た。ごく少数の作品は記録を読み、耳にした事を誇張することなく描いたつもりである。
 私の作品約250点は、総務省が委託している平和祈念資料展示館(新宿区西口住友ビル48階)と舞鶴市が運営している舞鶴引揚記念館に分けて所蔵されているが、両展示館は展示室が狭く、小品だけ数点展示するだけで全貌を見て頂く訳にはいかないので、後作の絵とあわせて、その中からご覧のようなページを公開することにした。
 私の頭のなかに写真のネガのように焼きついている「抑留の記録」をそのまま遺そうとした意味を理解していただきたい。                 2011年8月
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 佐藤 清 略歴

 大正14年    福島に生まれる
 昭和19年    関東軍野戦重砲兵17聯隊に入隊
 昭和20年    関東軍石頭予備士官学校に入隊
 昭和22年12月 シベリアより帰還ただちに療養生活に入る
 昭和34年    武蔵野美術学校西洋画科卒
 昭和40年    一級建築士 轄イ藤設計事務所設立
 平成18年    潟Rア建築審査事務所に業務内容を変え
          現在に至る
 著書 佐藤清画文集『シベリア虜囚記』未来社。佐藤清画集『シベリア虜囚の祈り』泰流社。歌集 『黒パンと自画像』九芸社。歌集『孤兵』千代田美術。『孤兵と母』文芸春秋社。シベリア抑留画集「きらめく北斗星の下に」(抑留画家50名による)出版の企画編集責任者、石頭会出版委員会編、美術出版社。

 その他
 長編記録映画(講談社編)「東京裁判に」シベリア抑留画収録。NHKラジオ深夜便心の時代「限りなく重いシベリア」を語る。文芸春秋別刊「シベリア強制収容所」の表紙と挿絵を担当し、抑留画家との対談。月刊文芸春秋「シベリアの画家たち」巻頭随筆。宮崎進画集「私のシベリア 森と大地の記憶」文芸春秋刊に係る(宮崎進、野田正彰、米原万里との対談)など。シベリア抑留画展(岡山天満屋デパート、新宿文化センター、京都市立美術館、舞鶴市文化センター)を担当。劇団四季「異国の丘」に係る。
 佐藤清シベリア抑留画の全作品(約250点)は総務省(平和祈念資料展示館・新宿西口住友ビル48階)と舞鶴引揚記念館に分けて所蔵されている。舞鶴引揚記念館の今後のあり方検討会委員。