頭上のソ連軍偵察機
18×24cm
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われわれの蛸壺陣地をあとに、動き出した隊列に向って、急に山陰から這うようにソ連軍偵察爆撃機三機が襲いかかって来た。敵機は蛸壺を掘る前からマークしていたのだ。敵機は二転三転攻撃を加えると麓の橋を爆撃し、十数人の戦友の命をなぎたおすと操縦士があざ笑うかのように顔を見せながら云って行った。日本本土からは百余機の友軍機が満州に向ったという勇ましい情報も流れたがわれわれの頭上には一機も姿をあらわさなかった。棹の先にとりつけた「模型飛行機撃退演習」はまったくマンガチックだったのである。