最初の冬(薪運び) 18×24cm   

  収容所に入ると先ずは柵づくりだ。それが終わると薪運びだが、腹が減ってはどうしようもない。二人で運べる薪を何人もかかって運ぶ日本兵を、監視兵が罵った。「ダバイ・スカレー・ヨッパイマーチ」と繰り返す監視兵のなかには日本兵の足を蹴飛ばすものさえいた。最初のひと冬で一割の兵が死んだ。